水換えの頻度は1週間に1度、量は水槽の1/3と一般的に言われていて、これは水質変化をなるべく抑えながら、なるべく多くの水を入れ替えられることを両立するために、先人が経験的に編み出した方法だと思う。
でも立ち上げ初期とかは、汚染も激しいので水換えの頻度を上げたくなる。自分は2日に1回、水換えをやった結果、ミナミヌマエビが大量死した経験がある。生体を店で買って導入した直後に、水換えのタイミングが来てしまうこともあると思う。でもこれはせっかく購入した生体を亡くしてしまう可能性が高い。
今回は、水換えで生体が死んでしまう原因について、水換えによるph変化が結構シビアだという話をしたい。
わが家で水換えをしたときのph変化を計測してみた。もともとのphは8.12だった。水換えに7.95になり、およそ0.2減少した。水換え1時間後には8.03まで回復し、9時間後にはもとのphに戻った。計測点が少ないが、もっと早い時間でもとのphに回復していると思う。
水換えによるph変化自体は0.2であり、1日もしないうちにもとに戻る。でもこれを1週間より短い頻度で起こすと生体は死んでしまうということが、うちの水槽では起きた。水換えで起こる変化はphだけではないはずだけど、phを見る限りは魚やエビはかなり繊細な生き物なんだろう。
(参考:Na-K-ATPaseの電子顕微鏡的細胞化学)ATPase酵素はNa+やK+イオンをい細胞内外へ移送するポンプの役割。細胞内のイオン濃度に応じて浸透圧が変化するため、ATPase酵素の活性は水質変化において重要。
(参考:カラフトマス稚魚の海水適応に関する研究)淡水と海水を移動させた場合、ATPaseの活性に違いが現れる。そして活性はおよそ10日で一定となり、その間は急速な増減を見せる。
酵素の活性が変化している間はあまり水質変化を起こさないほうがよくて、活性が安定してから水質を変化させるほうがよいのかもしれない。
とりあえず、水質の変化は小さかったとしても、短い期間に繰り返し起こると生体の体調は悪くなってしまうのだろう。
ということで、水換えは1週間に1度ということに気を付けようと心を改めたわけだけど、生体を導入するときも同じように気を付けないといけない。お店の水槽と自宅の水槽のphが0.2より大きく異なるということはほぼ必ず起こることだし、もっと言うと酸性・アルカリ性が違うまである。
せっかく水温合わせ・水合わせをしたとしても、そのあとに水換えをしてしまえば、短期間に水質が繰り返し変化してしまうため、生体の負担は大きくなる。汚い水に強いドジョウもこの水質変化には弱く、わが家でも一匹亡くなってしまった。
お店と自宅の水質が大きく異なる場合は、水換えを先に行ったあと生体を導入するといいだろう。