ドジョウを飼育水槽で繁殖させるのは難しいと言われています。
ただ、現状でできていること、そしてまだ解明されていないことをまとめました。
抱卵させることは可能です。
まず産卵するためには、メスのドジョウが成熟した卵を持つ必要があります。
古くから研究されてきてはいるものの、現在もそれは難しいようです。養殖ではゴナトロピンというホルモンを注射することで卵の成熟を促します。
そのためには、水温が重要であるという報告があります。「ドジョウの成熟におよぼす水温の影響ならびに周年採卵」ではホルモンを注射したドジョウの飼育水温を変更し、日数に応じて卵の成熟度を調べています。
卵の成熟度は、飼育水温が25℃のとき最大になります。またこの温度より低い温度で飼育されていた場合も、水温25℃で10日間飼育することで採卵が可能になる。このことからホルモンを投与した場合は25℃が繁殖に最適な水温であることがわかる。しかし、自然界のようにホルモンがない場合はどうなのだろうか。
「岐阜県産のドジョウ野生個体群の生殖年周期」ではドジョウが繁殖期に入るための条件として、日照時間が13.4時間必要である。(ちなみに水温は16℃以上必要)
では次に成熟した卵を排卵する条件ですが、この最終成熟期と呼ばれる段階に入る要因はまだ明らかにされていないようです。野生環境では田んぼや沼に一時的にできた水域で産卵するのですが、この「一時水域の環境が生育環境とどう違うのか」が明らかにされていないようです。